冷たい水の中をきみと歩いていく

平坦な戦場で生き延びること

味の迷宮

友達と新宿・ションベン横丁のうす汚い中華料理屋で化学調味料の味がする炒飯を食べながら「最近マズいものってねぇな」という話をした。現在進行系で食ってるこれは確かに味の素の味しかしないけど別にマズくないし。何なら週一とかなら全然食えるし。毎日は嫌だけど。あ,でも皿はちゃんと洗ってくれ……あ,お小皿は水浸しのまま提供しないでくれ……そんなとこまで本場感出してこなくていいから……

 

今の御時世だいたい何を食べても美味い。金のかかった料理は勿論美味いが,丸亀製麺だって日高屋だって吉野家だってマックだってサイゼだってカップ麺だって美味い。そもそも味がある時点で御の字だ。美味いに決まってる。大学の近くに変わった肉が出てくる店があって,ワニとかコウモリとかクマとか食べたことあるけど,まあちょっと癖あっても全然食べられる味だった。

 

よく考えたらこの現代日本で本当にマズいものを食おうとするのってめちゃくちゃ難しくない?強いて言うならシュネ●ケンくらい。あのタイヤみてぇなやつ。あれは衝撃的だった。中学生の頃にドイツに旅行行った友達がこれ買ってきて食べたんだけど,マジで甘苦い?ゴム??は???みたいな味しかしなくて最悪すぎて,最終的には大富豪で負けたやつの罰ゲームになって教卓あたりに散らばっていた。ちなみにこのウズマキを引き伸ばすとコンセントみたいになって面白いのでオススメ。あと男子校なので散らばったゴムは誰も掃除しない。

 

戦犯↓(ドイツだからとかそういう政治的なことではないです)

 

まあ確かにパッケージで「これはタイヤの味だよ~」みたいなの示唆されてるけど,これはそういうことだとは思わないだろ普通。なんらかの比喩だと思うだろ。でもタイヤの味。クソみてぇなゴムの味。

 

ところでゴールデンベアーとかコーラのハリボーグミ自体は学校の売店で売っていた。しかもちょっと高いから買ってきたやつは数分間クラスのヒーローになれた。まあクレクレ乞食だらけなのでみんなから毟り取られていくだけなんだけども……そういうわけでうちの学生はみんなハリボーベアという資本主義のクマに絶大な信頼を寄せていたのに,シュネッケ●の登場でそれが一気に裏切られた。これのせいでドイツのことしばらく嫌いになった。なんかこれとサルミアッキ(いつもアルミサッシと言い間違える)とで世界一まずいお菓子決定戦みたいなの見た気がする。アルミサッシの方はよく知らんけどこれと比べられてる時点でドッコイドッコイだろどうせ。

 

シ●ネッケンへの恨みが深すぎて脱線してしまった。話をションベン横丁の小汚い中華料理屋に戻す。そいつと俺はマズいものってあんのか?という話をしていた。そしてそいつは言った。

 

いや,待て。あるぞマズいもの……

(ごくり……)

ーーーファミレスの牛タン定食。

(確かに……)

 

以前,大戸●で牛タン定食を食べたが旨味が一切なくなんかうっすいゴムを食ってる気持ちになった。0.02mmぐらいの。しかもなまじ大戸屋って1000円くらいするから,せめてねぎしくらいの牛タンが出てくるだろとちょっと期待してしまっていた。しかしゴムだった。●ュネッケンといい●戸屋の牛タン定食といい,マズいものはゴムの味がするって法則でもあんのか?

 

ファミレスの牛タン定食は食べたことないけど,他の定食があれだけ美味い大●屋であの始末なんだから比べるまでもないだろうな。しかもそこそこの値段するからそれまた腹立つな。1000円払ってゴム食った!みたいな。

 

なんでこんな話しているかというと,今度行く店が「マズい店」を店名に冠しているから。

しかし調べてみると普通に美味しいらしく,「いやいや板前さんwマズい店とか言って実は美味しいんじゃないですかw謙遜しちゃってこのこのw(ヘラヘラ」「実はそうなんですよw味のわかるお客さんにだけ来てもらいたくてw(ヘラヘラ」みたいなウザい感じがありありなのだが,それも含めて楽しんでこようと思う。間違ってもヘラヘラしないようにしたい。

 

何も考えずに10分位で,アンツィオばりのノリと勢いだけで書いてしまった。

タイトルはいま聴いている谷山浩子さんの曲『カイの迷宮』から。