冷たい水の中をきみと歩いていく

平坦な戦場で生き延びること

平坦な日常でぼくらが生き延びること

今日はスーパーに秋刀魚が並んでいたので買った。一匹150円というのは高いのか安いのか分からない。もう秋の足音がするような気がする。魚グリルがあるのでそこで適当に焼いただけだが,表面に浮き出てきた油がじゅわじゅわ言ってとても美味い。ほろ苦い内臓も最高だ。

 

さて,一人暮らしを始めて3ヶ月くらい。最初の頃はいろんな事があった。そこで今日はそれを振り返ってみたい。昨日のブログで「過去は振り返らない」みたいなこと書いてた気がするけど,都合が悪いことは無視するので知らん。ライカさんは魂をTwitterジャパン(詫び老人がいるところ)に譲り渡しているので,ありとあらゆる記録がTwitterに残っている。では,プレイバック・三ヶ月前!

 

◎入居1日目

 

開幕早々インパクトが強い。終わってんなこれ。社会性が無すぎる。ていうかアニメDVD持ってきたのにテレビ無いし,パソコン持ってきたけどWi-Fiルーター無いし,フローリングのクソ硬い床で一生漫画を読んで暮らすしかないなと思っていた。

(ちなみにこの後,このツイートを見て呆れたフォロワー氏が冷蔵庫をくれた。本当にありがとう。Twitterやってて良かったと初めて思った。……いや嘘嘘,このブログを読んでくれてるフォロワーのこと全員好きだから)

 

部屋が虚無過ぎて早くも発狂したのか,ライカさんはいきなり寿司を食いだした。しかもちょっといいやつ。洗濯機もテレビもカーテンもテーブルも買ってないのに寿司を食うな,寿司を。その金を家電に回せ。

 

 

◎入居4日目

 

 

進捗ですじゃねーんだよな。テーブルが無いのでドンキでクソ安く買った折りたたみ椅子にパソコンを乗せてる。健康かどうかは知らんが少なくとも文化的な生活は営めていない気がする。考えるのが面倒くさくなってポン子(バーチャルYoutuber)の動画を見ている様子が伺える。でもカーテンは買ったようだし,上記の通り冷蔵庫も設置済み。冷蔵庫の低い唸るようなウウウウウウウウン……という音が響き渡ると「文明開化の音じゃん!」とテンションが上ったのを覚えている。一気に文明が進みすぎて泣いちゃった。

 

◎入居7日目

 

この日まで洗濯機を使用したことがなかったため,こいつのことを白くてデカイ箱みたいにしか思っていなかった。実際は白くてデカくてゴウンゴウン!とうるさい箱だった。ちなみにここでツイートしている「アタックにiPhoneを立てかけて配信」というのは,ライカさんがハマっているバーチャルyoutuber月ノ美兎オマージュである(月ノ美兎は最初期に,洗濯機の上にiPhoneを置いてアタックの箱に立てかけて配信するという気狂いじみた姿勢が話題になっていた)。

 

◎入居9日目

 

進捗ですじゃねーんだよな(二回目)。こうして見比べてみるとテーブルもテレビもベッドも扇風機もあるし,だいぶ文明化されてきているようだ。でもベッドが届いたはいいが,フレームが届いていないのでお布団みたいになっている。なんだこれ。そして着々とオタクタペストリーが増えている様子が見て取れる。

 

◎入居11日目

 

 

ある日,起きるべくして事件が起きた。思い立って炊飯器で米を炊いてみたが,米を炊くにあたって入れるべき水の量がわからなかったので適当に入れた。結論から言うと,バカみたいな量の米が出来てしまった。しかも水が足りなかったらしく最初生米みたいになってしまったが,追い炊き(そういう言葉があるかは知らん)を何度かやったらまあ食えるレベルの米になった。

 

 

蓋開けた瞬間思わず「ふざけんなおまえ……」とつぶやいてしまった。バグった米の量に理解が出来ず,しばらく放心してしまった。ライカさんはキレンジャーではないし四条貴音でもないしカービィでもないし五十鈴華でもない。こんなバカみたいな量の米が食えるかアホ。無心でラップに包んで冷凍庫に投げ込んでいった。

 

そして入居1日目の寿司食ったときと同じくらい綺麗な流れで見ないふりをしてつけ麺を食べに行っている。現実を見ろ。

 

今日は秋刀魚を焼いた。この頃に比べると自分で秋刀魚を焼くなんて文化的なことをしている。なかなかたいしたものだ。同じような日常を送っているようであっても,進歩を感じ取れる一連のツイートであった。

 

タイトルは椹木野衣氏による岡崎京子論『平坦な戦場でぼくらが生き延びること』より。