冷たい水の中をきみと歩いていく

平坦な戦場で生き延びること

男のケモノ飯

獣だ獣。今日はけものフレンズ,ではなく獣のことを書いていく。 

最近平日の昼休みは,行きつけの近所の鮮魚店で魚弁当を買って家で食べることが多い。私は会社から徒歩5分のところに住んでいるため,地の利を得ているのだ。ところで,鮮魚店がやってる魚弁当というのはなんであんなに美味いんだろう。さばの味噌煮,サケの塩麹穴子の煮付け,マグロの漬け……レパートリーも大変に豊富だ。

その店の難点としては,どんなに早く行っても店主のおじさんに「あーごめんね!今日はもうさばの味噌煮しかないんだ!!」とか言われることだ。だいたい二,三種類しか残っていない。12時05分でその有様って,どんだけ早く買い占めていくんだよクソ。いつか真相を確かめてやるぞと会社から脱兎のごとく向かいつつ,今日もまた「あーごめんね!」を聞くことになる。くそう。

 

余談だが,「魚屋」というのは差別用語になってしまうようだ。魚屋に限らず,八百屋や床屋も同じで,それぞれ青果店とか理髪店とか言いかえられている。「~屋」というのは一般的に差別用語とされているのだが,「政治屋」とか「ブン屋」とかはちょっとそんな気もするけど,魚屋とか八百屋は別にどうとも思わない。誰が決めているのかよくわからない差別用語というのはいっぱいあるわけだ。

 

さて,魚弁当を片手にぶら下げて帰宅すると,まず真っ先にパソコンの電源を着けてニコニコ動画を開く。そして料理動画を見ながらおもむろに魚弁当を食べはじめる。

 

これはいつも見てる動画のシリーズ「結月ゆかりのお腹が空いたので」

季節の素材を買ってきて料理する様子をVOICEROIDの結月ゆかりが読み上げる動画なのだが,とにかく製作者の料理の腕が半端なく,とにかく出てくる食事が美味しそうなの素晴らしい動画なのだ。そしてその料理したごはんを食べながらの食レポも聞き応えがあり,楽しい。美味しいごはんを一瞬で平らげるゆかりさんも可愛い。540円で買ってきたサケの塩麹弁当も,心なしか普段の2割増しで美味しくなる。正統派にごはんが美味しくなる動画なのだ。

 

また,これもいつも見てる動画のシリーズ「アル中カラカラ」

「アル中カラカラってなんぞや?」と思う方もいるだろうが,要するにおっさんがハイボールを排水口のようなズッ!という汚い音を立てて飲みまくり,グラスに残った氷をカラカラさせるという地獄みたいな動画なのだ。この動画はどう見てもただの生焼けのクソ汚い肉を「ローストビーフ」と言い張って食べながら,ハイボールズッ!と飲むだけという虚無な内容だ(お腹を壊したというオチが付いていて素晴らしい)。しかしなぜだか,540円で買ってきたサケの塩麹弁当はやっぱり心なしか普段の2割増しで美味しくなってしまう。悔しい。あとBGMが常にアイマスのテッテッテーテッテッテテーなのがまた製作者の年齢を感じさせて泣けてくる。色々な意味でお涙頂戴の感動動画なのだ。

 

さて,動画の話はそのへんにしておく。つい最近,中高の友人と桜鍋のお店に行ってきた。吉原のすぐそばにあるお店なので,往時は遊郭に立ち寄った客が来ていたのではないだろうか。馬肉はスッキリとしているが癖はなく旨味が強く,卵に絡めるといくらでも米が進むという具合だ。ビールもグイグイ進む。

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私は獣肉が割と好きで,定期的に食べたくなる。しかし性格が悪いオタクなので,「ジビエ」と言われると「うるせぇ,横文字でしゃらくせぇこと言ってんじゃねぇぞ!獣だろうが!!」となってしまう複雑な側面もある。

 

大学の近くには獣肉で有名な「米とサーカス」という店もあった。ここで提供しているラクダや虫は食べたこと無いのだが,月ノ美兎委員長もクリオネ食ってるし,もっとアグレッシブに行くべきかもしれない。いつか行こう。いつか……(あまり乗り気じゃない時の顔をしている)

tabelog.com

 

両国にある「山くじら ももんじ屋」。前職で上司に連れて行ってもらった店だ。ここではイノシシやクマを腹いっぱい食べた。イノシシ鍋は身が締まっていて美味しかったが,クマ汁は若干クセがあった。なんていうか獣。って言う感じ。ちなみに「山くじら」というのはイノシシのことだって。山でクジラがザバーンってしてるみたいで,なんだか可愛い。

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個人的には獣の戦闘力(獣感)ってウサギ<ワニ<馬<鹿<イノシシ<<(越えられない壁)<<クマだと思ってる。ウサギとかワニとか,言われなきゃ鶏肉だと思って食っちゃうし。大切なことなので二回言うと,クマは割と獣。

 

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「ももんじ屋」は店先にイノシシの剥製がぶら下がっているのでギョッとする。

 

あとめちゃくちゃしょぼいことを言ってしまえば,獣肉を出している店の雰囲気が好きというのもある。だいたいこういう店ってのは,重々しい店構え,畳には掘りごたつ,額縁に入った由緒有りげな書,そして謎のオブジェクトが飾られていると相場が決まっているのだ。特に最後が最も大切だ。右の写真の謎オブジェクト・クソデカ和太鼓はマジで謎なので,特に気に入っている。

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なんか最後のとこだけ見ると雰囲気がいいお店が好き!とか言ってるだけのバカみたいな記事になってしまったような気がしないでもないが,自分で書いててお腹が空いてきてしまったのでこのへんでやめておく。なんというセルフ飯テロ。

 

タイトルは岡崎京子の『女のケモノ道』から。

女のケモノ道

女のケモノ道

 

 おわりー。