冷たい水の中をきみと歩いていく

平坦な戦場で生き延びること

くだらないの中に

まさらなのだが,最近Netflixで『水曜どうでしょう』をよく見ている。実はいままでちゃんと見たことはなく,たまにTOKYOMXを見ていると異様に画質の悪い番組の再放送がやってんな……くらいにしか思っていなかったのだ。なんか大泉洋が出てんだっけ?確かダーツ投げて旅するやつだっけ?バスに乗って旅するやつだっけ?違うっけ,みたいなぼんやりした印象しかなかった。

 

水曜どうでしょう』は基本的に大泉洋さん,鈴井貴之さん(ミスター),藤村忠寿さん(ヒゲ),嬉野雅道さん(うれしー)のおっさん4人がわちゃわちゃしたり喧嘩しているだけの番組だ。企画はとにかく適当で,西表島で虫を捕るつもりがウナギを釣ることになったり,車に乗って各地の甘い物の早食い対決をしたり,カブに乗って羽田から高知まで向かったり。西表島では「魚が逃げるから」という理由でライトを全て消した真っ暗な画面でタレントが寝っ転がりながら夜釣り(寝釣り,というかマジ寝)をしている(テロップしか見えない)という放送事故スレスレなことをやっていて,ううむこれはすげえなと唸らされた。

 

ところで私は会社のすぐ近くに住んでいるので昼休みにはよく帰宅している(その際の俊足さったらかなりのものだ)のだが,『水曜どうでしょう』は一話だいたい23分くらいなので,ご飯を食べながら見ていると時間的にちょうどよいのだ。昼休みは大泉洋さんとミスター,ディレクター陣との掛け合いに笑わされ,EDテーマ「1/6の夢旅人」に送り出されながら会社に戻る生活を送っている。道中「ぷっ……」と思い出し笑いしながら下を向いて歩いているのは言うに及ばずといったところだろう。

 

つい先日なんかは昼休みに『水曜どうでしょう』でひとしきり笑って会社に戻ったら,となりの部署にいるガタイのいいおっさんが水曜どうでしょうTシャツを着ていて,普通にお茶を吹きそうになってしまったし,なにやらひとりで感動してしまった。

 

で,『水曜どうでしょう』を見ていて,これまたいまさらながら気付いたことがある。

私はとにかくおしゃべりが好きだ。とりわけくっだらね~マジで何の意味もね~おしゃべりが死ぬほど好きだ。

 

水曜どうでしょうの掛け合いが好きだ。サンドウィッチマンのコントが好きだ。アンジャッシュのコントが好きだ。オードリーや星野源さんのオールナイトニッポンが好きだ。匿名ラジオ*1トークが好きだ。月ノ美兎*2トークが好きだ。

 

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学生の頃を思い返しても,一番楽しかったのは誰かとくだらないことを話している時だった。内容は何だっていい。くだらなければくだらないほどいい。どうでもよければどうでもよいほどいい。丁々発止の掛け合いができると,とにかく楽しかったものだ。

 

色々なことを思い返す。中学高校はテニス部や生徒会に入っていたが,それ以上にグダグダと教室でくだらない話をしていたことばかり思い出す。ただ,内容はほとんど思い返せない。どうせアニメとかゲームとか漫画とかの益体もない話に花を咲かせていただけなのだ。でも気がつくとすっかり時間が経っていて,帰ろうか,となる。テニス部は週何回来てもいいみたいな緩さがあったので入部したみたいなところもあるし,それよりもゲームセンターのクイズマジックアカデミーが忙しかったので,不真面目な部員だった。生徒会では会計を務めていたが,とにかく生徒会室に漫画をめちゃくちゃ持ち込んで読んでいた。……そういえばあれは処分されてしまったのだろうか。いまでは知るすべもない。

テスト期間は授業が午前で終わるから,サイゼリヤやガストに行って勉強会という名のおしゃべりを延々としていたり,テスト後の打ち上げは中華料理店でずっとおしゃべりしていたりと,いつもよりも多くおしゃべりしていた。いつもよりも多く笑った。その時間は全く何の意味もないが,とにかく楽しかったし,とても大事な時間だった。

 

大学に入ってもほとんどそんな感じだった。趣味の合うひとたちとのくっだらね~おしゃべり。部室に居座り,笑いすぎて過呼吸になるほどにいっぱい笑った。部活やボランティア活動に熱心に打ち込んだりしてるひとを尻目に,私は狭い部室でくだらない話をし続けて笑っていた。

確かに私は何かに熱心に打ち込んだりはできなかったけど,別にそれを後悔なんかしていないし,やりたくないことはやらなくていいと思う。色々活動を広げようと思った時期もあったが,結局自分には向いていないことも分かってしまった。別に打ち込めるものがなくたって,日常のくだらなさに面白さを見いだせれば,それって最高なんじゃない?

 

くだらね~ことが大好きという価値観は,いまも基本的に変わっていないんだろうなと思う。社会人になった私は,会社で隣の席の人(同い年・男)にめちゃくちゃちょっかいを出している。なんていうか,私がいる職場は基本的に一人の作業が多くて静かなので,そのうち飽きておしゃべりがしたくなってくるのだ。彼には好きな漫画を押し付け貸したり,わかりにくいうえにどうでもいい皮肉を言ったり,ハマっているゲームのキャラの魅力を延々と語ったりしている。彼は内心ウゼェな……と思っているのかもしれないが,いちいち彼が反応してくれるので話しかけてしまうのだ。ていうか自分で言うのもアレだが最後のは普通にウザいな。ちなみに最近は『素晴らしき日々』の橘希実香さんのよさを延々と話していた。

 

◯橘希実香さん

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今日はなぜだか忘れてしまったが拷問や処刑の話で盛り上がってしまった。冷静に考えて,隣の部署から「ファラリスの雄牛」とか「アイアンメイデン」とか聞こえてきたら普通に嫌だろうな。隣の部署の人たちすみません。

 

……あー,特にオチはない。タイトルは星野源さんの『くだらないの中に』から。まさにこのブログ記事のタイトルにピッタリだ。くだらないの中に大切なことがある。ところで意外と思われるだろうが,私はかなり星野源さんが好きだったりする。

まあ『水曜どうでしょう』もオチはないし,いいでしょ。 人生適当に生きましょう。

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人よ,幸福に生きよ! 

 

終わり。

 

 

*1:ARuFa氏とダ・ヴィンチ・恐山氏によるネットラジオ番組。全く無い話を「あるある~」と盛り上がる完全に虚無な空間が広がっている。

*2:バーチャルyoutuber。清楚な見た目と裏腹なオタクトークがウリ。企画力がすごい。可愛い