ヒガンバナの咲く頃に
昨日,池袋に行くとフラワーショップで秋の植物がいろいろ売られていた。中に綿が詰まったフウセントウワタやベニアオイ,パンプキン,リンドウ,吾亦紅,パンパスグラスなどなど。フウセントウワタは緑のハリセンボンみたいなビジュアル,パンプキンはカボチャみたいな形をしたナスの実(ソラナム)だ。秋は植物が豊富で嬉しい。
その中にリコリスがあった。リコリスは,ヒガンバナ科ヒガンバナ属の植物。いわゆる曼珠沙華(彼岸花)は,リコリスの代表的な種類らしい。一般的に彼岸花は赤いが,白とか黄色もある。白いのはシロバナマンジュシャゲ,黄色いのはリコリスオーレアとかというらしい。ちょっと咲き方が違うキツネノカミソリも,ヒガンバナ科の植物。「ヒガンバナ咲き」「ラッパ咲き」など,咲き方でも色々分かれているようだ。奥が深くて面白い。
毎年,埼玉県の巾着田で曼珠沙華を見に行くのが好きだった。例年そんなに変わるものではないんだけど,一面の真紅の絨毯を見るのは毎年の楽しみだった。ゴスロリ風のコスプレイヤーがいて,レフ板を持ったカメコが撮影しているのが例年の風景だった。
残念ながら今年も中止になってしまい,すでに曼珠沙華は刈り込まれてしまったようだ。中で食べられるみそポテトとか山菜の天ぷらとかも絶品だったので,コロナが収まったらぜひまた行きたいところだ。
さて,「リコリス」でGoogle検索をすると,まずすぎる! と悪名高いお菓子「シュネッケン」が出てくる。有名なハリボーが出している,線をぐるぐる巻いたタイヤみたいな真っ黒いグミだ。いやこれほぼタイヤじゃねーか! と突っ込もうとすると,パッケージですでにキャラクターが乗る自転車のタイヤとして描かれており,それはメーカーも先刻承知らしくツッコミが封じられているのが腹が立つ。なんでお菓子でタイヤを模そうと思ったんだよ。
シュネッケン,高校の頃にドイツに旅行した部活のメンバーがお土産として買ってきてくれたことがある。みんなで食べてみると,本当に飲み込めないくらいにまずい。とにかく苦く,すこしほろ甘い感じが気持ち悪い。「結局これは食べ物ではない」という結論になり,円を伸ばして一本の線にしたり(なんかコンセントみたいになる),投げ合ったりして遊んだりした。食べ物じゃないからOK。
Wikipediaで調べると,黒だけではなく赤いのもあるらしい。センスやばすぎないか?
聞くところによると,シュネッケンは世界一まずいお菓子と言われるくらい有名らしい。サルミアッキ(アルミサッシみたいだ)もこの手の話題の常連だ。どっちが世界一まずいのか!? という最低な対決がされていた。
さて,なぜリコリスで調べるとシュネッケンが出てくるのか。どうやらリコリスは,シュネッケンの原料になっているらしい。え,ヒガンバナが? ヒガンバナの球根には毒があるので食用にはならないのでは?(よーく水にさらすと無毒化したデンプンが取れるので,救荒作物として用いられた経緯はある)
あらためて調べると,リコリスには2種類あるのだそうだ。シュネッケンの原料であるリコリスは,甘草の一種。ヒガンバナとは全く関係がない別種なのだ! これにはびっくり。しかもさっき書いたサルミアッキも,同様にリコリス(甘草)を原料としているらしい。つまりリコリスがまずいんじゃねーか。
来年は彼岸花見に行きたいなー。
タイトルはいまアニメやってる「ひぐらしのなく頃に」から取ったが,調べてみたら竜騎士07原作で「彼岸花の咲く夜に」という作品があるらしい。ひぐらしとうみねこ以外にも色々あるんだな。
終わり。