冷たい水の中をきみと歩いていく

平坦な戦場で生き延びること

Down the rabbit-hole

つも何となく思いついたような内容のない話を書いているだけだが,今日は珍しく日記を書いてみる。タイトルで素晴らしき日々の序章を思い浮かべた人も多いだろうが特に関係はない。関係はないがちょっと前にフルボイス版をクリアした身から言うと,あの序章は2周目やると「あ~~~!!!高島ざくろ!!!」となり,感動もひとしおである。

 

◯11/23(金・祝日)

この日から公開されている京成電鉄旧・博物館動物園に行ってきた。14時からのツアーに申し込んでおいたのだが,どうやらツアー以外で入場しようとすると整理券が必要で,それは午前中に配布終了してしまったのだそうだ。おかげでせっかく来たのに入れないという人もたくさんいた。念のためにツアーに申し込んでおいて正解だった。

 

この駅は1997年に休止,2004年に廃止されたのだそう。駅の存在自体は親から聞かされていたため割と昔から知っていたが,もちろん中に入るのは初めてなのでウキウキしながらツアーガイドの後を付いていく。外装は国会議事堂っぽい。今年,駅舎では初めて東京都選定歴史的建造物に指定されたのだとか。

f:id:trush_key:20181125173231j:plain

 

重たい扉が開いて中に入ると,巨大なもふもふが現れる。ウサギのオブジェだ。Down the rabbit-holeみたいな感じなのだろうか,と思ったがどうやらこのウサギはアナウサギという穴を掘って暮らすウサギで,地下鉄をその巣穴に見立てたインスタレーション作品であるらしい。

f:id:trush_key:20181125175302j:plain

 

ガイドに促されるままに地下に潜る。Down,Down,Down……。何やら光が差していて神々しい感じになっている。何かサイレントヒル4で見た光景だ。両端の壁からゴーストが出て強攻撃をしてきそう。

f:id:trush_key:20181125174226j:plain

 

さて,そうこうするうちにプロジェクターで開業当時の写真のスライドが壁に映し出される。話が京成疑獄に及んだのでオッとなりちょっとおもしろい。ちなみにガイドは頭だけウサギのきぐるみをかぶっているので,歪みの国のアリス』のシロウサギっぽい。ウデ ウデ ウデ♪ウデはどこだろ♪」というやつだ。たぶんその場で歪みの国のアリスのことを考えていたのは私一人だろうというどうでもいい自信がある。

f:id:trush_key:20181125184244j:plain

 

階段を下っていくと少々広い踊り場のような場所に出る。そこでは今回のインスタレーション作品の趣旨でもある,博物館と動物園の展示がなされている。ガラスケースに入っているものは上野動物園にかつていたホァンホァンというジャイアントパンダの頭蓋骨。施設をまるまる使ったインスタレーション作品で,なかなかおもしろい趣旨だ。何となくホラー繋がりで『ib』を思い出していた。ゲルテナの絵はどこだろう?

f:id:trush_key:20181125180129j:plain

f:id:trush_key:20181125180157j:plain

 

さらに地下に潜っていくと切符売り場があるが,そこには立ち入ることができなかった。ホームは見えないが,実際に電車が通る音が聞こえてくる。やっぱサイレントヒル4で見た光景だ。ちなみにこのホーム,3両編成の電車しか止まることができないらしく,いまの電車の規格ではまったく止まれないことになる。やはり駅としての復活はないとのことだ。文字通りの残当である。

f:id:trush_key:20181125180708j:plain

 

ツアー自体は正味30分ほどであったが,あっという間に感じられるくらい面白かった。写真ではわかりにくいかも知れないが,壁には閉業直前に書き込まれたと思われる落書きがたくさんあり,これまた歴史を感じさせる。

 

その後は上野を散策する。上野大仏や五重塔などを訪れてみると,上野という街は幼い頃から知っているつもりでも実際は博物館や美術館や動物園や不忍池アメ横くらいしか知らないことに気づく。言うまでもないことだが,一部を知っただけで全部を知った気になってしまうのは良くないのである。「一を聞いて十を知る」のではなく「一を聞いて十を知った気になる」のは色々な可能性を狭めてしまう。

やはり「いつも心に好奇心(ミステリー)!」ということで今回の記事の締めとする。

f:id:trush_key:20181125182923j:plain  f:id:trush_key:20181125182901j:plain

いつも心に好奇心! 名探偵夢水清志郎VSパソコン通信探偵団 (青い鳥文庫)

いつも心に好奇心! 名探偵夢水清志郎VSパソコン通信探偵団 (青い鳥文庫)

 

 

終わり。