冷たい水の中をきみと歩いていく

平坦な戦場で生き延びること

銀色の馬車

銀色夏生の詩集を買って読んでいた。





銀色夏生は言葉の錬金術士だ。
一般的に言葉の錬金術士と言われる寺山修司なんかはわたしにはよくわからない。一応、著作をいくらか読んでわかるように努めたがいまひとつピンとこなかった。

銀色夏生は詩人でもあり写真家でもある。この本に使われている写真はとても魅力的だ。セピア色に褪せた写真、モノクロームに閉じ込められた叙景、粒子の粗くザラザラした質感を持った風景。
自らの詩で恋について語り続けてきた銀色夏生が、その言葉とともに綴る写真たちは何よりも雄弁だ。

わたしと銀色夏生との出会いは2年ほど前、出版社の幻冬社社長、見城徹の著作を読んだことによる。
見城徹は、原稿の持ち込みで訪れた銀色夏生と出会った時、挨拶もしないし名刺も出さないしなんだこの女は…と思ったそうだが、その原稿を見てビビッときたらしい。
わたしも銀色夏生を読んで、ビビッときたタチだ。言葉もさることながら、写真のチョイスが巧みだ。

ブックオフで108円で買える作品も多いので、気軽に手に取ってみてほしい。