冷たい水の中をきみと歩いていく

平坦な戦場で生き延びること

エッセー

きっと十年後にも一緒に笑って飯を食おう

ふと手元のカレンダーを見たら今年もあと3ヶ月ないことに気がついてしまった。もう2018年の75%が終わってしまったことに驚きを隠せない。よく考えたら今年は退職→ヨーロッパ旅行→転職という激動の1年だったし,光陰矢の如しの極み(そういえばフタエノキワ…

平坦な日常でぼくらが生き延びること

今日はスーパーに秋刀魚が並んでいたので買った。一匹150円というのは高いのか安いのか分からない。もう秋の足音がするような気がする。魚グリルがあるのでそこで適当に焼いただけだが,表面に浮き出てきた油がじゅわじゅわ言ってとても美味い。ほろ苦い内臓…

いつか”一緒に”輝いて

最近の日の落ちる速さに驚きながら,何かを諦める顔をしている。例えばそれは日の長さだったり平成最後の夏だったり夏のエモさだったりするのだけど,私たちはいつも何かを諦めて失っていく。仕方ないさ,とつぶやいて諦める。 最近『凪のお暇』という漫画を…

S氏の隣人

昨日とテンションが180°違いますのでお気をつけください。さながらジェットコースターです。 昨日でこのブログは5周年だったらしい。これを書いてるライカさんは誕生日が8/20なので,大学3年生の誕生日の翌日に始めたようだ。多分当時,何かと思うところがあ…

味の迷宮

友達と新宿・ションベン横丁のうす汚い中華料理屋で化学調味料の味がする炒飯を食べながら「最近マズいものってねぇな」という話をした。現在進行系で食ってるこれは確かに味の素の味しかしないけど別にマズくないし。何なら週一とかなら全然食えるし。毎日…

冷たい水の中を言葉と歩いていく

「孤独をつぶやくな。沈黙を誇れ。」 数々の名言を生み出してきた,かの有名な成人向けコミック雑誌『LO』2011年11月号のキャッチコピーである。 『LO』は成人向けとは思えないたかみち氏による美麗な表紙と秀逸なキャッチコピーと,一方で普通の成人向け雑…

ぼくたちは何だかすべてフェスにしてしまうね

ここ数日,友人らと東北地方へドライブに行っていた。 まず早朝に着いた大きなダム湖では遊覧船がいた。営業時間前で乗客も誰もいないにもかかわらず「こちらに見えます雄大な景色は……」というアナウンスが聞こえてきたので,リハーサルでもやっていたのだろ…

明日また目覚まし時計をかけるよ

最近なぜか,毎朝5時に目が覚める(しかしその後二度寝して7時半に起きることにはなるのだが……)。 こんなに早く起きるなんてもう歳かしら,と思っていたが,今朝目覚まし時計をよく見たらアラームが5時に設定されていた事に気がついた。ついこの間のSIREN展…

ambivalence ambulance

最近,家の庭にきのこが生えていたので「オッ」となった。 意外ときのこは色んな所に生えている。前に近所のメガネドラッグの看板からきのこが生えていて,あれってどういうシステムなんですか?と店員に聞きたくなったことがあった(が,こらえた)。実際は…

空が青かったから

結局,空がなんで青いのかわからないまま生きている。 最近はチコちゃんという女の子がボーッと生きていると叱ってくれて,それはそれで人気があるのだそうだ。需要と供給。 なにかを知っていることはいいこと。知識を身に着けることはいいこと。それはあな…

転職のこと。

こんばんは。こまです。 いまはツイッターでは「ライカ」でやってるからそろそろこっちの名前も変えたほうがいい気がしてきました。気がしてきただけですが…… 今年初投稿です。 しかもこのブログ,4年以上やっているらしい。遅筆にも程がありますね。畏れ多…

雑踏若しくは猥雑

雑という言葉がすきだ 雑貨、雑種、雑誌、雑踏、猥雑。 無秩序な感じが堪らない。 だからだろうか。わたしはいわゆる繁華街、花街の写真がすきだ。 この写真は池袋大橋。池袋大橋から池袋北口の風俗街を眺めている。 この写真は鶯谷。鶯谷は本当に汚い街でわ…

水槽

水槽 空っぽの水槽 それでもエアレーションだけは作動している かつてなにかがそこにいた記憶として かつてなにかがそこにいた記録として そしていまはなにもいないことの証明としてそれはそこにある

ウチワサボテン

道ばたに手が落ちていた。 道に手が落ちているよと泣く君に何と言おうかあれはサボテン おそらくはウチワサボテンが枯れて落ちたのだろう。たしかになんだろうかと二度見してしまった。池袋~大塚間、まいばすけっと前にて。

上を向いて歩こう?

下を向いて歩こう。 後ろを向いて歩こう。 みんなが上や前を向いて歩くからこそ、わたしは下や後ろを向いて歩きたい。 上や前ばかりでは、気がつけないことがあると思うから。 たとえば、落し物。下を向いてこそ見つけられる。 たとえば、忘れ物。後ろを向い…

空にごみ箱

小さい頃、空にごみ箱があった。 何を言っているかわからないかもしれないので写真を貼ってみる。 調べて見たらYahoo!知恵袋にも同様のことを考えている人がいるようであった。 いまでは、これは柱上変圧器と呼ばれるものであることを知っているが、小さい頃…

上善は水の如し。

滔々と水が流れていく。 清く、涼やかな水だ。 それは滾々と湧き上がり、溜まることなく、淀むことなく流れていく。 木々の緑を溶かし込んだ色で、柔らかな日差しを浴びてキラキラと輝いている。 わたしは水の流れを見ている。 試みに、足元に落ちていた木の…

いつも何かが欲しくって。

こんばんは。 タイトルの「いつも何かが欲しくって。」、これは『ちーちゃんはちょっと足りない』という漫画の帯に書かれている言葉だ。 この漫画、本当に読後感が最悪で、死にたくなる。救いもない。まったく暴力的ではないが、緩やかに死に蝕まれていくよ…

思い返すことなど(1.5)

前回からかなり時間が空いてしまったが、書いていきたい。 というか、日常編だけで相当の分量になってしまうような気がする。 第2回は「学園祭編」を予定していたが、前回で完全に紙幅が尽きてしまった(「紙幅が尽きてしまった」と言いたいだけ)ので、まだ…

無題(短歌)

君からの 数フリックで 救われる おおげさだけど 君はユニセフ 君と手を つないで歩く 足早に フリータイムに 間に合うように

思い返すことなど(1)

思い返すことなど。 何の脈絡もなく思い返すことを書いていこうと思う。 先日、友人宅でバーベキューをするということで高校の友人達と会った。 中高一貫校の男子校なので6年間同じ校舎にいたのだが、わたしは非社交的な人間なので、在学中に話さなかった人…

無題(短歌)

人生の 重荷を下ろし 歩きだす 生きてくために 死なないために 結婚は 妥協だとは 言うけれど それはとっても 大切なのだ

無題

勿忘草 わすれてしまったわたしの昔 わたしの何がわかるの、とあなたは言った わかるわけがない わたしはあなたではないのだから わかってくれないのね、とあなたは言った わかるわけがない わたしはあなたではないのだから わかるわけがない、 わかるわけが…

無題

確かなもの わたしは確かなものだけがほしい 裏切ることがなく変わることがない普遍的で確かなものだけがほしい わたしは確かだろうか、他人は確かだろうか 確かなものだけがほしいと希うわたしは確かなのだろうか その確からしさはいったいぜんたいどこの誰…

無題

空からなにかが落ちてきた。 みんなが空を見上げた。 僕の心とは対照的に、 空には雲ひとつなかった。 空に雲があれば手を伸ばしてつかむことができたのかもしれないが、 空には雲ひとつなかったから。 空はある種の残酷さを湛えていた。 空はどこまでも青く…

世界をひとつに

世界が離れていく 技術の発展で縮まったはずの世界が離れていく 加速度的に縮まった世界は、また加速度的に離れていき、もうどこにも見えない 果てしなく遠くにいってしまって、もう戻ってこない みんなが言う ひとびとが自分勝手に振る舞い、世界はバラバラ…

無題

詩投稿サイトに定期的に投稿をしている。 今回、以下の詩を投稿した。 be moved 英語にbe movedという表現がある 感動した、という意味だが 心を動かされた、と考えると、受け身になっているのがよくわかる わたしが心を動かされるものは 忘れ去られたもので…

無題

しんだえびのうた けさ飼っていたえびがしんだ えびはしぬと赤くなるとしった なぜ赤くなるのだろう シェイクスピアは 生まれてくるときに赤ん坊が泣くのは 馬鹿共の舞台に引きずり出されたことが悲しくて泣くのだと言ったが えびはどうだろうか 何かを恥じ…

無題

いずみ こんこんという音色に耳を澄ませる。 澄んだこんこんという音が。 いずみからみずがこんこんと。 みずはやがて、河に、池に、沼に、湖に、海に。 湧いて、溜まって、溢れて、流れて、注いで。 滔々と、滔々と。 こんこんと、こんこんと。

無題

メガネ メガネを外して周りを見てみる そのほうが世界が自然に見える 本当は世界は美しくなんかない 本当は世界はひとを愛してくれない それはわたしから世界への永遠の片思い 世界はぼんやりとして朧気で 曖昧でとりとめがなくて とても残酷で それが世界の…