冷たい水の中をきみと歩いていく

平坦な戦場で生き延びること

晴れた日にはランチバスケットを持って。

ういえばここ1か月くらいブログを書いていないことに気がついた。とりあえず,先日行ったピクニックのことを書く。

 

先日といいつつ2週間ほど経ってしまっているのだが,大学のサークルの先輩や同輩と代々木公園にてピクニックをしてきた。

 

そもそもこれどういうきっかけだったんだっけ……?と思い返し調べてみると,どうやらTwitterでのリプライ発だった。

先輩のツイート:みんなー,遊びに行こうよ。シートを敷いてサンドイッチを持ち寄ろうよ。ウクレレをひこうよ。(意訳)

僕のリプライ:最高

 

人々が何の気もなく「飲み行こう」「メシ行こう」と口にし,それが実現することもなくあっという間に流れていくこの地獄の世の中。そのなかにあって晴れた日にシートを広げてサンドイッチを持ち寄る,豊かな時間の尊さよ。気がつくと僕は「最高」とリプライを送りつけていた。そして日程調整の結果,6人もピクニックに集まっていた。

 

僕は形から入るタイプなので,まず「うかれすぎだろ」という感じのランチバスケットを買って退路を断った。そしてうるせぇ!誰にも文句は言わせないぞ!!という強い気持ちで「理想のピクニック」を詰め込んでいった。言うまでもなく,頭の中では「君をのせて」がずっと流れていた。

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自分のなかで,どうしてもピクニックといえばバゲットであり,パン切り包丁である。また,木のカッティングボードも持っているが入り切らなかったのでやめた。オリーブとかレバーペーストとか色々はいってるのは,スペインで安かったので大量買いしたのだが帰国後一向に開封せず,いい機会だったので持っていったものだ。

11時集合だったので,少し早起きして唐揚げを作った。見た目はあんまり良くないが,初めてにしてはそれなりに食べられるものだった。

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あとメインディッシュであるサンドイッチ。僕はマヨネーズが食べられないのでレパートリーが少ないが,キュウリ・ハム・たまごサラダ・チーズの組み合わせで幾通りかのサンドイッチを作っていった。サンドイッチ用のパンというものが売っていることを初めて知った。

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で,唐揚げやサンドイッチや剥いたリンゴをタッパーに入れ,結局このような中身のランチバスケットを引っさげて原宿駅に向かった。

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自宅の最寄り駅にて電車を待つビジネスマン風の男性がビジネスバッグをおろす。そのすぐ横で僕は,籐でできたランチバスケットをおろす。ビジネスマンに二度見される。誰にも文句は言わせないぞという強い気持ちで電車に乗り込む。

原宿駅に着くと,やたらと混んでいる。今日は天気もいいし全員ピクニックに行くのかな?と頭の中ではお花畑なことを思いながら,みんなと集合して代々木公園に向かう。

 

ひさびさに来た代々木公園はやたらとデカく感じた。組体操をしているグループや大道芸人っぽい人たちを尻目に中央広場に向かって歩いていると,いい感じの芝生といい感じの木立があり,そこをキャンプ地とすることにした。レジャーシートをバサバサと広げ,荷物をおいて陣取る。

 

その日はポカポカと暖かく,絶好のピクニック日和だった。何ならちょっと暑いくらい。レジャーシートにみんなが思い思いに持ち寄ったものをバラバラと広げていく。素敵。

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周りにはフリスビーやバドミントンをやっている人たちがたくさんいたが,僕はランチバスケットの用意で手いっぱいでそのへんのものを何も用意してこなかった。僕たちは海に行っても,ビーチバレーなどせずにタイドプールでウメボシイソギンチャクをつついたりアメフラシをつついたりしているタイプだ。

 

まるで放課後のような雑談をしていたら,あたりが暗くなってきた。11月になると,5時頃にはもう日が落ちてしまう。いそいそとレジャーシートを片付けながら,僕たちは帰途についたのだった。

 

大人になるにつれて,僕たちは薄っぺらい口約束ばかりするようになる。言葉からは手触りと重みとリアリティが失われていく。小さい頃に「◯◯ちゃん,あーそーぼ!」と行ってすぐにワーッと遊びに行っていたのが,行くのか行かないのかもわからない口約束だけを重ねるようになったのはいつからだっただろう。

 

そしてそんな薄っぺらい口約束の先にある飲み会は,店で出てくる薄ーいレモンサワーよりもよっぽど中身がなく薄っぺらい。そんな飲み会なら行くだけ時間の無駄だということに僕は大学1年生の新歓期に気づいてしまった。もちろん有意義な飲み会もたくさんあるけど,たまには思い思いのものを持ち寄って,ポカポカと豊かな時間を過ごすのもとても素敵な経験だと改めて思った1日だった。

 

なおランチバスケットは小物入れとして我が家で有効活用されている。またピクニックに行くことがあれば,迷わずこいつを連れて行く。

 

終わり。