冷たい水の中をきみと歩いていく

平坦な戦場で生き延びること

2006年は「うどん元年」

がつくと前の記事からすっかり日が空いてしまった。本当は「年末から新年にかけてせわしなく過ごすうちに書きそびれていた」ということにしたいのだけれども,実際のところだいたい寝転んでテレビを見て餅を焼いていただけだから世話ない。

 

事前に言っておくと,今回の記事は(も)全く内容がない。思いついたことをつらつらと書いていくだけだ。テーマは「うどん」。すでに面白くなさそうだが,しばしお付き合い願いたい。

 

僕はうどんが好きだ。近所にうどんの名店が結構あるのもあり,今も週3日くらいの頻度でうどんを食べる。「週3なんて全然大したことないじゃないか。俺なんて~」というマウントを取られてしまうかもしれないけど,残りの週4日くらいは自炊なので外食すること時はほぼうどんだ。そして今日の夜ご飯も味噌煮込みうどんを食べてきた。そのなかで,ふと自分とうどんとの因縁浅からぬ関係について書いておきたいと思ったのだ。

 

思い返すと小さい頃,うどんは好きではなかった。そばとうどんだったら絶対にそばを選ぶような,こしゃまっくれた子どもだった。うどんに対して嫌悪感すら抱いていた。理由はよく覚えていないが,おそらく大したことではない。どうせ「太いから」とか「名前が嫌だから」とかそんなことだ。

 

そんな僕がうどん嫌いからうどん好きになるひとつの転機となったのは,本広克行監督の2006年の映画UDONだと思う。

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僕はこの映画を観てあまりにもうどんが食べたくなり,家族に頼んで香川県にうどんを食べに行った。中2の頃のことだ。あまりにも有名な日の出製麺所」に初めて行ったときは,150円という値段や自分でねぎを切るシステムに大変衝撃を受けた。もちろん味もとても美味しく,僕はすっかりうどんが好きになってしまった。

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そして僕は翌年の夏休みにも友人たちと香川県に行き,讃岐富士こと飯野山を背にレンタルした自転車でうどん屋を巡った。これもいい思い出だ。

 

UDON」の公開と時を同じくして2006年,実家の近くに讃岐うどんの専門店「元喜」がオープンした。今ではそこそこ有名になっており,たまに通りかかると行列になっている。ここはうどんもさることながら,味噌で食べる讃岐おでんもまた名物だ。

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今考えてみても,2006年はうどん元年だったと言わざるを得ない。そしてその10年後,2016年がVR元年だというのは偶然という名の必然だろう(?)。

 

さて,うどんを語るうえで欠かせないチェーン店がある。それは丸亀製麺である。決して「はなまるうどん」ではない。ちなみに同じく有名チェーン店である「山田うどん」は近所になく,いまだに行ったことがない。国道沿いにいっぱいある気がするので,いつか国道沿いに行ったときに寄ってみたい。

 

丸亀製麺も最近はとんとご無沙汰なのだが,高校生の頃,特に高3の受験期は本当に誇張なく週10回くらい丸亀製麺だった。その頃は一日中池袋の塾の自習室にいたので,お昼ごはんと夜ごはんは外に出て南池袋公園近くにある丸亀製麺にばかり行っていた。

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店に入って注文を取られるなり一言ぼそっと「ぶっかけ冷の大」。夏でも冬でも変わらない。ブオー!という麺を乾かすデカい音が響き,10秒ほどでぶっかけ冷の大が供される。お金がないから天ぷらなんてものは頼まない。その代わりに天かすとねぎを鬼のように入れる。スプーン5杯は入れる。丸亀製麺の天かすはなかなか侮れない。サクサクしてるしたまに野菜くずが入ってて健康的な(気がする)天かすを供する心意気,素晴らしい。僕が冬でも冷うどんを頼むのも,何を隠そう天かすがふやけてしまわないようにだ。そこまで行くと,もううどんを食べに行ってるのか天かすを食べに行っているのかわからない。

 

ただ,実は丸亀製麺一筋と言いつつ,何度か浮気して近くの違う店に行ったことがある。池袋の丸亀製麺のすぐそばにあったはなまるうどんは初めて行った時にイオンで100円くらいで売ってるようなクッソしょぼい天かすしか置いてなくムカついたのでそれ以来行っていない。

 

「楽釜製麺所」という池袋にあったお店も何度か行ったが,あまり覚えていない。うどんが硬かった気がする。調べてみると,閉店が相次ぎ今は都内に2店舗しかないのだそうだ。池袋の店舗も閉店してしまっていた。

 

そうして,結局丸亀製麺に回帰してしまう。僕は丸亀製麺が大好きだった。丸亀製麺でバイトしたけど天ぷらをつまみ食いしたらめちゃくちゃ怒られてバイトを辞めた」という友人の話を聞いてから,ますます丸亀製麺が美味しくなった気がする。大学生になってからも,池袋に行けばウキウキしながら丸亀製麺に行っていた。頼むのはもちろん「ぶっかけ冷の大」。そして天かすとねぎを鬼のように入れる。そんな日々がずっと続くと思っていた…。

 

そんな一宿一飯の恩義のある(一宿はないが)丸亀製麺に最近行っていないのは,引っ越した近所に美味しいうどん屋さんが多すぎるからだ。美味しいうどん屋さん情報を貼ってこの記事を締めることにする。

 

まずイチオシは神保町の「丸香」

tabelog.com言わずとしれた名店。いりこの風味の強い出汁が本当に美味しく,都内で一番美味しいのではないだろうか。僕は夏はここのわかめうどん,冬はカルピスバター釜玉うどんを食べることにしている。そしてちくわ天。ここはちくわ天が超うまい。もう天かすばっかり食べていたあの頃の僕とは違う。ちゃんとお金を出して天ぷらを食べている。

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インパクトの強いわかめうどん。

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かけうどん。綺麗な出汁。いりこの風味がたまらない。

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カルピスバター釜玉うどん。やみつきになる。


次に「トウキョウライトブルーホンゴウスリー」。ついこの間まで「こくわがた」という店名だったのだが,リニュアルオープンした。東大の体育会系学生がよく来ている。

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立ち食いながらとても美味しいうどん。そしてここは揚げ物のクオリティーが異常に高い。あなごの天ぷらだったりさわらの天ぷらだったり鶏天だったり,何を食べても美味い。

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さわらの天ぷらうどん。卓上の醤油をぶっかけて食べる。

 

そして「味噌煮込罠」。「みそにこみん」と読む。冒頭書いた今日の夜ご飯はここ。

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僕は正直,味噌煮込みうどんとか鍋焼きうどんといったものがあまり好きではなかった。繰り返しになるが,僕にとってうどん=天かすだったからだ。温かいうどんでは天かすがふやけてしまう。

 

しかしここに初めて来た時,その価値観は覆された。のばされた味噌の濃厚な味わい。熱々の土鍋で供されるのもまた食欲をそそる。今日みたいな寒い日にはもってこいだ。

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さっき食べた味噌煮込みうどん。

番外編として,老舗そば屋なのだが,「神田まつや」の太打ち。事前に電話で予約を入れないと食べられない裏メニュー。こんな見た目だけどそばである。想像通り,歯ごたえと香りがすごい。

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裏メニューの太打ち。

こんなにたくさん素敵なうどん屋があるのだから,丸亀製麺への足が少し遠のいてしまうのも致し方ないことだ。許してくれ,丸亀製麺

 

終わり。どうぞ今年もよろしく。