無題
メガネ
メガネを外して周りを見てみる
そのほうが世界が自然に見える
本当は世界は美しくなんかない
本当は世界はひとを愛してくれない
それはわたしから世界への永遠の片思い
世界はぼんやりとして朧気で
曖昧でとりとめがなくて
とても残酷で
それが世界のほんとうの形
川
川が流れていく
何かを削り落とし、何かを積もらせていく
暴れ狂い、すべてを壊す父
生命を育み、すべてを包む母
川は両性具有だ
想い
こんなにもたくさんのひとが、
こんなにもたくさんの想いを抱えて、
こんなにもたくさんの想いが伝わらず、
こんなにもたくさんの言葉が死んでいく
生まれることができなかった子どものように
みんな、みんな、消えていく
神への冒涜
カメラはすべてを切り取る
一瞬を永遠に固定する
しかし、たまに思うのだ
それは神への冒涜なのではないだろうか
たまごとにわとり
家があって家族があるのか
家族があって家があるのか
喫茶店にて
たくさんの音にひとりで閉じ込められている
死
ブックオフの108円コーナーに居ると死にたくなってくる
書く
生きることに意味があるのかわからない
生きることでなにが残せるのかわからない
なにも残せないのであれば、書かれたものだけがわたしをわたしたらしめるのだ
書きつづけるしかないのだ、生きるために